0.概要
海外FX業者を選ぶときの基礎知識を記す。取引の仕方やツールの使い方ではなく、業者選定で必要な知識と確認箇所を網羅的に記す。
1.分類
対比できる要素で分類する
- 取引手数料のあるなし
- FXは手数料無料の会社が多いが、有料の会社や無料の会社でも有料のプランがある。一概には言えないが、有料プランのほうがスプレッド(売りと買いの価格差)が狭い
- NDD方式かどうか
- 客の注文をインターバンク(金融業者間の市場)に流しているかの有無。流しているならば表示されている売買価格は公正で、海外FXにありがちな極端なスプレッドや相場とずれた価格変動がない。
- ただしNDD方式の場合殆どは取引手数料が有料である。口座維持費がかかる場合もある。
- 大半は反対のDD方式なのであまり気にしなくて良い。NDDはコストでマイナスな面もあるので使うのは専業で稼ぐ人ぐらい。
2.コスト
入金~取引~出金までにかかるコストを記載する。無料を宣伝する業者でも金がかかる部分がいくつかあるので、選ぶときに確認すること
- 口座維持費
- 大抵の業者は無料であるが、NDD方式のお硬い業者はかかる場合がある。
- 入金手数料
- 入金通貨の為替手数料 - 円なら問題ないが、現地通貨しかできない業者もあるのでその時は為替手数料がかかる。
- 入金時の手数料 - 振込やクレカなら無料なところが多いが、マイナーなオンライン決済サービスしか入金対応しておらずそのサービスで入金に手数料がかかるとかザラ。振込も手数料とられるところが結構ある。
- 振込かクレカが無料でないならゴミ業者
- 取引手数料
- 前述した取引手数料。取引額の0.X%とか、最小固定額みたいな形式もある。慣れない場合は手数料無料のほうがわかりやすい。
- スプレッド
- 取引手数料が無料の会社の実質的な取引手数料。最小値はあまり意味がなくて、スプレッドの変動値が重要。
- 特に重要指標の発表直後、相場が荒れている時、海外の長期休暇等で参加者が少ない時など。コロナショック直後のときは平時の3倍~6倍みたいなスプが結構あった。
- 休暇明けに円絡みの通貨が200pipのスプレッドかましてポジション狩られたみたいな話が毎年どっかの業者である
- この点ではNDD方式の業者が圧倒的に有利
- 出金手数料
- 業者に払う手数料は通常無料(あるいは回数制限で無料)。必ずかかるならその時点でゴミ業者。
- 利益部分の出金は大抵銀行振込になる。ほとんどの業者が海外からの振込になるので、業者の手数料が無料でも銀行に送金手数料代わりの受取手数料を取られる。ソニー銀行や新生銀行は無料になる時がある。
- オンライン決済サービスで受け取れる業者もあり、その時は上述の受取手数料が安くなるが、大抵金融庁に(日本の取引だけ)潰される。あるいはそのサービスが詐欺。
- 仮想通貨で受け取れる業者もあるが、大抵入金分だけ(クレジットカードと一緒)で利益分を出金できるところは少ない。できてもじきに金融庁に潰される
3.ボーナス
海外業者の魅力の1つとしてボーナス(入金以外の口座余力増加)がある。
- クレジット - 出金できないが口座余力として使用できる。2万円の口座残高+2万円のクレジットなら4万円分の取引ができる。出金できるのは口座残高分だけ。
- 口座開設クレジット
- 口座開設したらもらえるクレジット。1回限り。
- 入金クレジット
- 入金したらもらえるクレジット。入金額に比例し、入金方法で%が変動する場合がある。だいたい期間限定で20%~100%、一部では200%ってのもある。ユーザー数が増えると大体渋くなる。
- 取引クレジット
- 取引通貨量に応じてもらえる。概ね0.01%くらいが相場。
- 現金 - アフィリエイトの報酬がほとんど。もちろん出金できる。
- IB
- ユーザーを紹介すると、固定額かそのユーザーの取引通貨量に応じた額を一生もらえる。海外FXのアフィリエイトが盛んな理由の1つ。
- 一部IB業者では、IB報酬を配分してくれるところもあり。
- ただしIBを経由すると、クレジットをもらえなくなる業者が結構あるので確認したほうが良い。
- キャンペーン
- ランキングや抽選などでもらえることもあるが、まず無理なのでないとおもっていい。
4.選定基準
業者を選ぶ時の優先順位
- 経営が安定しているか?
- 潰れたら元も子もない。資金繰りが怪しいと、出金遅延(申請しても振り込まれるのが遅い)・入金を促すようなボーナスの乱発・取引用のサーバーが不安定になるなど兆候がでる。
- 海外で潰れたら口座の金は戻ってこないと思っていい。
- 新参業者で妙にSNSの宣伝に気合が入っているところは詐欺業者の確率が高い。明らかに捨て垢でスパム宣伝されてたら近寄らないこと
- 出金実績があるか?
- 少額の出金はできても高額(1000万円以上)はできない、稼ぐと口座凍結される、出金拒否される、振込が遅いなど。
- 相場で勝っても、金が手元にこなきゃ意味がない。
- 手数料は安いか?
- 入金手数料、取引手数料は無料のところが大半だが、出金手数料は業者負担を選ぶべし。ソニー銀行や新生銀行を選べば無料になる時がある。
- スプレッドは安定しているか?
- 指標や休み明けのスプレッドはある程度回避できるが、相場が荒れている時のスプレッドは致命的。スプレッドが高すぎて取引を躊躇する事態になるので、安定しているところを選んだほうが良い。
- ボーナスがあるか?
- 入金ボーナスが盛んなところは元手が増えるので有利になりやすい。あって損はない。
- 最小口座維持率
- 強制ロスカットが入るポジション金額/口座余力残高の比率。理想は0%、大半は20%。一部50%~100%もある。低いほどポジションの逆を行った時耐えられる額が違う。
- レバレッジ倍数
- 大抵の人は100倍あれば十分。それ以上かけると平時の動きでロスカットする。ただしレバレッジ倍数が高いほど最小口座維持率になるまで耐えられる金額が少しだけ増える。ないよりはあったほうが良い。
5.備考
- 業者によってはMT4/MT5のサーバー時刻が15分ずれていることがある(オーストラリア系の業者に多い)。メインチャートになりやすい1時間、4時間の終値がずれるので結構致命的。TradingViewなどで代用すること
- 業者によって取引開始/終了時間が違う。開始時間が遅いとビッグイベントの週明けでロスカット確実の状態でも出金で逃げるみたいなテクニックが使える。代わりに安値掴むチャンスも消えるが…。早く終る分には週末終了時間の急変動回避もできるので日本に住んでるならあり。
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